
サポートについてのコラムではいつも書いていることですが、私が訪問看護ステーションなどに伺ってサポートさせていただくことの中心は、リハビリテーションの進め方や考え方についてのアドバイスが中心になります。
リハビリテーションの手技・技術みたいな部分は他の講師や研修会で学んでいただければよいかと思います。
たとえば、訪問看護ステーションでの多くの利用者さんについては回復期リハビリテーションである程度のリハビリテーションを受けた経験のあるケースと、在宅生活を継続していたけどリハビリテーションがある日必要になってしまったケースがあると思います。
- リハビリの経験がある利用者さん
- リハビリの経験がない利用者さん
訪問初日のリハのオリエンテーションの進め方ってどちらにも同じように説明しますか?
訪看リハについての費用とか頻度とかの説明は同じようにするかもしれませんが、リハビリについて既になんとなく知っている利用者さんと始めてリハビリテーションを受ける利用者さんとなら説明には違いが出てくると思います。
初めてハビリテーションを利用されるケースの場合、「痛い」「しんどい」「キツイ」「なにされるの?」みたいな不安を抱えておられることもあり、きちんとオリエンテーションを実施しないと早期にリハの利用が中断になったり、事業所を変更されたりすることにつながります。
ただ、これまでリハビリテーションのサービスを利用したことのないケースの方が、訪看リハでのリハビリテーションはスムースに進むことが多いというのが私の経験上感じていることです。だからこそ、最初のオリエンテーションは大切なのです。
皆さんの事業所では、この一例のようにリハビリテーションそのものの進め方や考え方などについて、事業所としてきちんと統一された方針やルールにのっとって進めているのでしょうか?
それともセラピスト任せにしているのでしょうか?
セラピスト任せにしていることがアカンとは思いませんが、それで事業所としてのカラーみたいなものを発揮することは出来るのでしょうか?
セラピストがリハをすることだけが売りになる時代はもうすぐ終わると思います。私は、制度は報酬改定の変化に応じた対応を行うことが訪看リハの生き残る道だと考えています。
リハビリテーションの進め方や考え方のこと
制度の改定により、要支援1年は短期間でのリハの修了が求められるようになってきました。
また、訪看リハを提供している訪問看護ステーションでは、セラピストによる訪問の量が、看護師による訪問の量を上回ると減算となってしまいます。
これらの制度改定において大切なことは、
リハビリテーションの継続が必要なケースとそうでないケースを区別することが求められます。
そのためには
適切な目標を設定し、目標達成に必要な期間を検討し、定期的に目標の到達度合いを確認し、訪問の頻度や期間を調整していくことが求められます。
そういった制度に見合ったリハビリテーションの提供を行うには、事業所としてセラピストに対してそのことを伝え実践していくことが必要です。
報酬改定の資料の中にも、漫然としたリハの提供の在り方は見直すべきというような意見も見られます。
ある程度の先を見据えてリハビリテーションを提供するということは、状態が安定して目標を達成したケースのリハを修了するということです。
しかし、リハを修了するということは事業所から見れば「売り上げが減る」ということになります。
だから、リハの修了などを考えない事業所はたくさんあります。
決してそのような事業所が良いと言えないのですが、仕方なく継続している事業所はたくさんあるでしょう。
裏を返せば、そういった事業所の多くは「新規ケースを獲得することが出来ない」「既存のケースで安定して稼げるセラピストの訪問に頼っている」ということなのだと考えています。到底時代にマッチしているとは思えません。
だからこそ時代にマッチしたリハのあり方を考える
地域によって事業所の運営事情は異なると思いますが、制度改定や報酬改定はやはりきちんと把握して対応すべきだと考えます。
急にリハのあり方を変えていくことは難しいと思いますが、少しずつ事業所としてのリハビリテーションの提供体制の在り方を検討していくことは大切だと考えています。
活動と参加へのアプローチ
報酬改定の方向性は、生活期リハビリテーションは活動と参加にアプローチすることを求めています。
さて事業所のセラピストの皆さんは「活動と参加へのアプローチ」きちんと行えているのでしょうか?
ケースの疾患の種別や年齢や病期などにより、心身機能中心のアプローチとなることもあるでしょうが、活動と参加のアプロローチも常に検討すべき課題です。
そんな方向に目を向けるために大切なことは、訪問看護ステーションにおける看護師とセラピストの連携だと私は考えています。
看護師の視点とセラピストの視点で共同でアプローチするからこその、訪看リハビリテーションなのだと考えています。
そのためには、看護師さんにもリハビリテーションの基本的な事柄や、リハビリテーションの視点を持った看護に取り組んでもらえると嬉しいなと考えています。
極端な言い方ですが、セラピストが不在の事業所でもリハビリテーションの提供は可能なのです。

セラピストが在籍している事業所であれば、セラピストと看護師とが連携することでより良いリハビリテーションを提供することが出来る。異なる視点で生活を評価していくことが出来るから、活動と参加へのアプローチも行いやすくなると考えています。
サポートのこと
サポートは事業所の実情に合った方法で実施させていただきますが、基本的には同行や講義が中心となります。
遠方の事業所さんであってもオンラインでの講義や、訪問時の動画を利用してのアドバイスなどは行えます。
まずは事業所の運営者さんや管理者さんと打ち合わせをしたうえで、必要なサポートの進め方を考えていけばと思います。
◆サポートの概要
◆プロフィール
事業所でのリハビリテーションの進め方や考え方に不安がある事業所さんは是非一度ご相談ください。サポートが必要かどうかはそのあとで決めていただいてもかまいませんので、何か心配事や不安がある事業所さんはお気軽にご相談ください。


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