2019年9月30日追記
先日フリーランスにおける通勤時間のことを記事にしたけど、それと同じで1日は24時間なんだから訪問リハに転職しても稼げる給料には限界があるってことを書いてみます。
この記事を読んでほしい人
- 病院勤務だけど、訪問の方が稼げそうだから転職を考えている人
- なんとなく訪問って稼げるだろうなって考えている人
- 「リハビリ 稼ぐ」 とかで検索している人
病院勤務で毎月決まった金額のお給料をもらっていると
これだけ働いたのに、こんな月給かあ!
ってため息ついている若手セラピストが、出来高とかで稼げそうなイメージを持って訪問リハビリテーション業界に転職してくるっていうパターンは結構多い。
だけどね、年収っていう点で見ると訪問リハビリテーションが稼げるってわけではないってことを書いてみます。
2019年9月にオンライン講義で訪問リハのことについてお話させていただきました。
⇒講義動画「訪問リハのいろんなお話1」
訪問での稼ぎには限界があります
決まった金額の月給に比べると、出来高とか歩合とかでお給料もらうとなんだか、「働いた分だけ稼げる」っていうイメージがありますよね。
病院でたくさんの患者さんを担当しても、少ないときでも月給が一緒だとなんだか不公平。
それなら出来高とか歩合とかで、働いた分だけたくさん貰える方がいいって感じるのは間違っていません。
だけど、しっかり考えてくださいね。
歩合とか出来高とかっていう場合、実働できる勤務時間がどれくらいあるのかってことが重要になります。
フリーランスにとっての通勤時間の損得勘定って記事では通勤時間の効率について書きました。
職場が遠くて通勤時間が長いと、実働できる勤務時間が減ったり、しっかり実働するとプライベートの時間が少なくなって家庭生活に支障をきたします。
独身ならいいけど家庭を持っている場合は、このあたりしっかり考えないといけません。
訪問10年以上やっている僕の実績から考えると、1日8件くらいが限界。40分の訪問なのか60分なのかにもよるし、都会か田舎によって訪問できるお客さんの数も違うし、移動距離も異なる。
1件ごとの移動距離が長いエリアの場合は1日当たりの訪問件数は少なくなる。
人口密集地で自転車で回れたりするエリアなら訪問件数は多くなる。
だから条件によって平均訪問件数っていうのは異なる。1日8件っていうのは多いほうだ、平均すれば6件くらいになる。
稼ぎには限界があるってこと
訪問件数に限界があるってことは、それによる出来高制給料の場合は給料にも限界があるってことだ。
極端に計算すると、1日10件の訪問、月~金∔土曜日半日で、1週間に55件くらい訪問したと仮定しよう。
1件当たりの歩合が4000円として 1カ月を4週間とする。
55件×4000円×4週間=88万円
88万円から税金とかいろいろ天引きされて、手取りだと70万円くらい
実際は、キャンセルがあったりとかスケジュールに利用者さんがすべて埋まっていなかったりする。それに10件の訪問なんて多分勤務時間的に難しい。4000円の歩合っていうのはメチャクチャ良いほうになるから、めっちゃ頑張っての限界がこれだと思っていい。
現実的には1500円くらい~3000円くらいかなあ。
支給額ベースで1000万をちょっと超える年収。これが限界。
もう一度書くけど これは架空の計算でかなりの好条件です。たぶんこんな計算は現実的ではない。
ちなみにここ10年位は訪問リハビリとかの掛け持ちで稼いでいる私の年収は500万円~700万円くらい。2015年は520万円くらいかな。
⇒最新の年収事情
僕の給料の実績と架空の計算をもとにして考えると、訪問リハビリテーションでの年収は
500万円~1000万円
ってことになるでしょうね。
時間には限りがある
出来高制の給料っていうと、月給に不満を持っているセラピストにはいい響きかもしれない。
だけど1日は24時間で時間には限りがあります。訪問のスケジュールもすべて埋まるとは限りません。
体調不良でキャンセルになる利用者さんも結構います。
だから、架空計算で月収がいくらになるのかって考えるのは間違っています。
訪問リハビリテーションに転職したらものすごく給料もらえて、いっぱい稼げるっていうイメージは間違っていると思います。
それに、歩合制のお給料の場合は契約の歩合の単価が上がらない限り年収が増えることはありません。訪問件数が同じなら年収は増えないのです。
そう、いずれ頭打ちになりますよ。
診療報酬や介護報酬が下がれば歩合の単価も引き下げられるから、そのあたりのことをしっかりと考えてくださいね。
あなたが目標としている年収をしっかりと考えて、転職するかどうかを決断してくださいね。
こんな幻の計算だけして転職したら、後悔しますよ。
最新の掛け持ち状況はこちら
⇒個人事業主作業療法士
2019年9月にオンライン講義で訪問リハのことについてお話させていただきました。
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2019年版 病院リハと地域リハをつなぐ・変える
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