子ども園の勤務で考えたこと5 2026.5.20.  お着替えや給食が毎日ある生活

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今日のコラムは、作業療法士として子ども園に週1勤務している私がお着替えや給食の時間に1歳児クラスや2歳児クラスの中に入って考えたことを書いてみます。

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ここで書いていることを研修会の資料風にまとめたものはこちら
1歳児クラスと2歳児クラスのお着替えのこと~更衣動作の発達~
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お着替えのこと

お昼の給食が終わると、お着替えしてお昼寝の準備になります。そんな時間帯での、1歳児クラスでのこと

お着替えをクラス担任と一緒にしました。

子どもたちと向かい合って、お着替え開始。

上着を脱ぐときに誘導するとバンザイはなんとなくできるけど頭の動きはあまりなく、そのまま頭は動かない。手は服の裾を持っていてあげると抜くことが出来る子もいる。

着るときときは、服の裾を広げて正面に提示しても、じっとしている子が多い。手を入れようとしないから、服を頭に被せると手を袖から出すことはできるけど、自分で服をつかんで頭を出そうとはしないので、僕が服を下に引っ張って頭を出す。

服を着る動作、2歳児クラスでは服の裾を広げて正面に提示すると、手を入れる子と、頭に被せてもらうのを待っている子が半々という感じ

ズボンの着脱
1歳児では、ズボンの脱衣は両手で僕につかまって片足を上げることが多いが、着衣では座る子どもがほとんど。

2歳児クラスの子は、脱ぐときも着るときも立ったままできる子が多くて、両手で僕につかまる子は半分くらいで他の子は片手だけつかまっている。

更衣動作の発達のこと

作業療法の教科書には更衣動作の発達についてのっています。今回の1歳児クラスと2歳児クラスのお着替えの時の子どもたちの動きの違いは、運動機能や認知機能や固有受容感覚感覚機能などの発達の違いによるものだと捉えることが出来ます。

1歳児クラスで服の裾広げてを提示しても動かずに待っているのは、更衣の手順の理解がまだできていないのでしょう。服を頭からかぶせて手を出せるのは少しずつ身体図式というのかボディイメージや固有受容感覚が発達してきていてもぞもぞしながらも袖口から手を出せるようになってきているのでしょう。でも頭を動かして上手に出せないのは、服によって視覚が遮断されてしまった状態では服のイメージが出来ていなくてどうやって頭を出せばよいのかわからないのでしょう。

2歳児クラスで同じように服の裾を広げて正面に提示すると、手を入れようとしたり頭を入れようとしたりするのは、更衣の手順についての理解が出来るようになってきているということ。頭に服をかぶせると自分の手で引っ張って頭を出すことが出来るのは、衣服のイメージとボディイメージがマッチしてきているということ。固有受容感覚も発達してきている。

ズボンの着脱で、1歳児クラスの子は脱衣では両手で僕につかまれば片足ずつ上げることが出来る。2歳児クラスの子は片手で持つだけでも片足をあげることが出来る。これはバランス機能が発達してきているということですよね。

当たり前と気づきと毎日のこと

子どもたちの更衣動作の発達のことなんて、きっと作業療法士じゃなくても子ども園の保育士さんや幼稚園教諭の方々はご存じだと思います。だからそういった知識をひけらかそうと思っているわけじゃない。

でもね、お着替えの時に「まだ手を入れないな」とか「頭をまだ出せないんだな」って気づくことのできる作業療法士や保育スタッフってどれくらいいるのだろう?とは思います。

以前関わっていた子ども園で、3歳児クラスの担任の先生から「お着替えが上手にできません」と相談を受けたことがあります。

他の子は立ってズボンの着脱ができるのに、相談を受けた子供は座った状態でしかズボンの着脱が出来ないという状況でした。

でも歩くことは出来るし、立位のバランスを手伝えば立ったままズボンのお着替えは出来ました。バランス機能の発達がやや未熟な印象だったので、お着替えの時に片手でバランスを保持しながら介助してあげてくださいねとクラス担任の先生にはお伝えしました。

そのクラスにはその時だけしかかかわりませんでしたが、その後お着替えの相談はなかったのでうまく解決したのだと思います。

その子はきっと3歳児クラスの先生が気づく以前から、立ってズボンの着脱することは出来ていなかったのだと思います。2歳児クラスの時にちょっと意識して立ってズボンの着脱しながらバラスを保つ練習をしていたら上手になっていたかもしれません。結果論ですけどね。

作業療法士の立場からすると、毎日何らかの形で子供たちに関わることが出来るっていうのはすごいことなんですよね。

子ども園での活動は決して作業療法を展開する医療的な現場ではありません。でも、少しずつ少しずつ毎日何らかの関わりが繰り返される場である。

1歳児クラスでは上手にお着替えできないかもしれないけれど、2歳児クラスではバランス機能も認知機能も発達してきて少し上手にお着替えできるようになってくる。3歳児クラスになると、もっと上手になる。

お着替えが上手にできない子は、きっとこの発達の段階のどこかでつまづいている

そのつまづきに気づくことが出来れば、そのタイミングで介入することが出来る。

ズボンのお着替えだったら両手で支援者につかまってズボンを脱ぐ練習をしたり、片手だけでつかまって脱ぐ練習っていうのを毎日毎日少しずつ積み重ねることが出来るチャンスがある。

もちろん子ども園にはいろんな行事があって、いろんなプログラムがある。先生方のお休みや日々のプログラムもあるので、毎日毎日同じ支援が出来ない事もある。それでも子供たちは毎日やってくるので、支援の機会はたくさんある。

積み重ねることが出来る環境がある。

それって凄いことなんだと思う。

療育とかリハビリテーションとか言われるような現場では、毎日毎日支援する環境はなかなかないんですよね。週1回とか週2回とかになってしまうから。

だからこそ子ども園での毎日の日々の関わりっていうのはすごいことだと、週1回子ども園に関わるようになった作業療法士は考えてしまうのです。

給食の時間でもね

1歳児クラスに行くと、ホワイトボードに「上手持ち」「下手持ち」「手づかみ」と書いてあってその下にマグネットで子供たちの名前が貼ってある。今の段階でどんな持ち方をしているのかってことが分かるようになっていました。

スプーンやフォークなどの食具が上手に使えないという相談は3歳~5歳児クラスでは時々ある。

お着替えが上手にできないというのと同じように、食具が上手に使えないというのもある日突然使えないというのではなくて、それ以前の段階でうまく使えないなということに気づくことが出来れば、日々の求職の時間の中で少しずつ少しずつ何らかの形の支援ができるかもしれない。

その支援というのは給食の時間のことだけではなくて、手をしっかり動かすことを意識した課題に取り組んだり、姿勢保持の練習につながるような課題に取り組んだりすることをクラスの活動の中に取り入れることが出来るようになるかもしれない。

発達のこと、運動機能のこと、感覚機能や認知機能のことをしっかりと学んでいるかもしれない職員の方が、そのことをきちんと意識して、どう対応していくのかということを考えることが大切。

でも日々の業務の中でクラス運営はものすごく大変。だから非常勤としてかかわっている作業療法士が、保育のスタッフと一緒に子どもたちを観察したり評価したりしながら、支援の方法を考えて多職種連携でいろいろ関わっていくことが必要なんだろうなと考えています。

2026年4月から子ども園に週1勤務を開始して約2か月がたちました。

こんなことを考えながら子ども園の中で作業療法士が働く意味とか意義とかミッションみたいなものを考えています。

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    作者プロフィール
    やまだたけし

    大阪で非常勤掛け持ちの作業療法士をしています。
    2026年6月で58歳になります。
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