間違ってますよ!「病院で経験を積んでから訪問リハビリに転職」

若い理学療法士や作業療法士、言語聴覚士の中にはタイトルのように「病院で経験を積んでから訪問リハビリ、老健や通所リハなどの地域リハビリに関わっていきたい」と考えている方は多いと思う。

この「病院で経験を積んでから・・・」という部分だが、病院で経験を積めば「訪問リハビリテーションや地域リハビリテーションの従事するときに有利である」と考えているならそれは正しくない。間違っているとまでは言わないが、正しくはないのである。そのことについてまとめてみました。


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病院で何の経験を積むのか!

病院で何の経験を積むのでしょうか?

日々、回復期リハビリテーション病棟での業務で個別のリハビリテーションに追われながら、理学療法や作業療法、言語聴覚療法の業務を行いながら、学ぶことができる経験は、あくまでも回復期リハビリテーション病棟での経験なんです。回復期リハビリテーション病棟で、訪問リハビリテーションの経験を積むことはできません。それなのに、「病院で経験を積んでから・・・」という考えが多いのは、いくつかの理由があるからです。

  • 先輩やベテランのセラピストが「まず病院で経験を積んでから」と言う
  • 訪問リハビリは1人で業務をするから不安なので、まず病院で経験を積みたい
  • 周りの雰囲気に流されている

特に、実習の時のスーパーバイザーや養成校の教員から「将来地域に出たり、訪問リハビリするなら、まずは病院で経験を積みなさい」というような助言を受けて、とりあえず回復期リハビリテーション病棟に就職した方は多いのではないでしょうか?

そのことは、間違っていると言わないけど、正しいともいえない理由があります。

  • 地域に出るために、回復期リハビリテーション病棟で何を学ぶのか
  • 地域にでたり、訪問リハビリで働くために今やっておくべきことを、やっているのか?
  • 新卒でも老健や訪問リハビリで活躍している若手はいる

地域に出るために、今やっておくべきこと

下記の引用は、コラムサイト やまだリハビリテーションらぼ からの引用です。

1、介護保険の情報を知る努力をする

いま、回復期リハビリテーション病棟・病院で働いている理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の皆さんは、介護保険のことをどの程度ご存じなのでしょうか?

特に大きな法人のリハビリテーション科に勤務している若手の理学療法士や作業療法士、言語聴覚士のかたは

  • 介護保険のことは相談員に任せておけばいい
  • 何か制度の改正があったら上司から聞けばいい

と気軽に考えている人も多いかもしれない。そんなことでは、地域に出て働くことは難しい。地域で担当する方の多くは、介護保険領域の方だ。2~3割くらいは医療保険の方もおられる。医療保険と介護保険では制度が異なるため、おなじ40分のリハビリテーションを提供してもその料金は異なる。

訪問リハビリテーションではセラピストが直接利用料を利用者さんから集金することが多い。そんな時にきちんと説明できないようでは集金はできないのである。

こんなことはほんの一例だ。

病院で働いていたら、事務員さんや相談員さんに任せていても大丈夫なことも、地域に出たらそうはいかない。

というより、そもそも病院で働いている今も他職種任せにしてはいけないのである。新聞やテレビなどで報道されている情報くらいはきちんと把握するのが専門職というものである。

このような、情報を収集するというのは一種のスキルなんですよね。地域に出たから身につくというものではなく、常に情報に対してネットを張っておくというか、アンテナを張り巡らせておかないと情報は収集できません。

今すぐやるべきことなんです。

2、自分の担当患者の退院先をきちんと把握する

あなたの勤務先の回復期リハビリテーション病棟・病院の自宅復帰率はどのくらいかご存知でしょうか?

自宅復帰できない患者さんはどこに行っているか知っていますか?

あなたが将来地域に出て働きたいと考えているなら、回復期リハビリテーション病棟・病院を退院した患者さんがどのような経路に退院しているのかをまず知るべきです。

そこにはリハビリテーションのサービスはあるのでしょうか?理学療法士や作業療法士がいてリハビリテーションを受けているのでしょうか?

そしてあなたは、転院先にきちんとリハビリテーションの情報提供をしていますか?

知らない間に担当患者さんが退院していた

なんてことはありませんか?

あなたが将来地域に出て働きたいと考えているなら、地域に戻るあなたの担当患者さんがどこに行くかくらいは把握しておきましょう。
いま働いている地域の介護保険領域のリハビリテーション事情を把握する

4、退院した患者さんの様子を少し知ってみる

あなたは自分が担当した患者さんが退院後どのような生活をしているのか知っていますか?

以下 つづく

コラムサイト やまだリハビリテーションらぼ

こういったことをきちんと行っているのであれば、「病院で経験を積む」という意味はあります。しかし、ただ何となく回復期リハビりテーション病棟で働いているだけなら、何の経験も積めないのです。

そんな状態で病院で働いているくらいなら、早く訪問リハビリ領域に転職して、訪問リハビリの現場で経験を積む方が効率的だと思います。

新卒から、地域リハビリ、訪問リハビリで頑張っている若手もいる!

やまだリハビリテーション研究所でも研修会を開催した事がありますが、10年前とは異なり、新卒でいきなり地域の現場に出ている理学療法士、作業療法士、言語聴覚士は大勢います。

病院での勤務を経験することなく、老健や通所リハビリ、訪問リハビリの現場で頑張っているのです。

老人保健施設のこと

それでも、一人で訪問に出るのは苦手だけど地域では働いてみたいって方におすすめなのは、老人保健施設です。

老人保健施設には、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、を配置する義務があるので最近は一人職場という老健も少なくなりつつあります。しかも、老人保健施設は

  • 入所のリハビリ
  • 通所のリハビリ
  • 訪問リハビリ

というサービスを介護保険で提供することができるのです。

一人職場は不安だけど、訪問リハビリや、地域に関わりたい

という方にはぴったりの職場だと思います。

訪問リハビリ業界のこと

20年くらい前なら、訪問リハビリテーションに従事している理学療法士、作業療法士、言語聴覚士というのは少数派でした。しかし、介護保険が始まり、診療報酬や介護報酬の改定などを経て、徐々に訪問リハビリテーションに従事するセラピストは増えてきました。

理学療法士や作業療法士、言語聴覚士が中心となって起業して訪問看護ステーションを経営するという事業所も増えつつあります。

さらに、やまだリハビリテーション研究所だけでなく、ここ数年訪問リハビリテーションに関する研修会は非常に多く開催されています。

一人で訪問に出ることの不安

を解消するには積極的にこのような研修会に出ることが必要です。回復期リハビリテーション病棟で勤務しているだけでは学べないことも非常に多いのです。

また、セラピストが中心となって起業している訪問看護ステーションにも、比較的大規模に展開している事業所が増えてきているのもここ数年の特徴です。そのような事業所は、新卒の理学療法士や作業療法士、言語聴覚士を採用しているところも多く、きちんとした卒後教育を行っています。

回復期リハビリテーション病棟からの転職で、不安を抱えている方ならこのような、比較的規模の大きな事業所を選択するのも一つだと思います。

地域のことは地域で学ぶ!

地域に出ることの最大のメリットは「地域のことは地域の現場で学ぶ!」ということです。

病院で働いているだけでは学べないことがたくさんあります。

「病院で経験を積んでから・・・」と考えて病院で働いている方は、あと何年くらい働いたら経験を積んだと言えるのしょうか?

3年くらいの経験ですか?
5年くらいの経験ですか?

ただ、漠然と「経験を積んでから」と考えているだけなら、今すぐ、地域リハビリや訪問リハビリの現場に出て「リアルな経験」を積むことの方が長いセラピスト人生では効率的なのではないでしょうか?

繰り返しになりますが、訪問リハビリや地域リハビリテーションに関わりたい若手の理学療法士や作業療法士、言語聴覚士の方をサポートするための研修会はやまだリハビリテーション研究所 だけでなく全国各地で開催されています。あなたの抱えている不安は解消できるのです。

私は老健で7年働き、その後訪問リハビリに関わるようになって10年くらいが経過しますが、病院で学んだこで役に立つこともありますが、訪問リハビリのことは訪問リハビリテーションの現場で、老健のことは老健の現場で学ぶことの方がはるかに多いということを実感しています。

あなたはいつ地域に出るのですか?いまが、行動するときではないですか?

ネットで検索しているだけでは、何も変わらないですよ!


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9 Responses to “間違ってますよ!「病院で経験を積んでから訪問リハビリに転職」”

  1. 新卒者 より:

    初めまして!
    3月に国試を受けた新卒者です。

    結論から言いますと、このサイトを読ませていただいたことが決め手となり訪問リハビリへの就職を決意しました。

    私がこれまで思っていたことと合致していたからです!周囲の同期や、教員さえも
    「まずは病院で学ぶのが常識」
    と、洗脳するかのごとく(笑)話し、それにとても違和感を覚えていました。

    勿論それが全て間違いではないと思います。でも、とても安直な考えとも思います。

    東京で働きますが、今後御縁あれば宜しくお願いします*\(^o^)/*
    新卒者の奮闘を応援してください。笑

    • やまだたけし より:

      サイトを参考にしていただいてありがとうございます。
      地域や訪問で才能を発揮して、スペシャリストを目指すためには、多くのことを学ばなければならないと思います。病院で働くのとは異なる苦労もあると思います。だけど、できると思うからこんな記事を書いています。頑張ってね。これからはコラムサイト やまだリハビリテーションらぼを見て学んでください。

  2. TK より:

    STですが、訪問リハビリに携わりたいと思うのですが、今まで成人でしかやってこなかったので、小児の嚥下訓練言語訓練に不安があり、なかなか
    動けません。小児のリハビリも慣れてできるものですか?

    • やまだたけし より:

      TKさんへ
      「慣れ」っていう言葉をどんなニュアンスで使っているのかによりますね。
      成人のリハビリは「慣れ」ているんですか?
      でもそれって、勉強したり、先輩に聞いたり、患者さんとのリハの中で学んだり、研修会に行ったり、本を読んだりした結果なんですよね。ただ人数をこなしたから「慣れた」ってことではないですよね。

      だから、小児に関わるっていうのも同じだと思いますよ。はじめは大変だと思います。だから勉強したり、他の人に聞いたり、研修行ったり、患者さんから学ぶんですよね。成人で経験した過程と同じことを経験しないと「慣れ」ないんじゃあないかな。

      近いうちにこのテーマはブログに書いてみたいと思います。1週間以内くらいには書けると思うので、楽しみにしておいてください。

      記事にしました、こちらからどうぞ
      【領域転向】「慣れ」 じゃなくて チャレンジと「リ・スタート」

  3. tbd より:

    今年入職したOTです。もともと維持期に興味があり、老健や訪問に進んだ際に少しでも活かせればと、急性期病院に就職したのですが、1ヶ月ちょっと立った今、維持期に繋がるものがあるのだろうかと疑問を抱き始めています。たった1ヶ月で急性期のことが分かるのか、と言われてしまえばその通りかも知れませんが、もし自分を受け入れて頂ける老健があった場合、そちらの道に進み維持期のスペシャリストを目指しても良いのでしょうか?

    • やまだたけし より:

      tbdさんへ
      急性期に就職しちゃったんだったら、当初の考えのようにもう少し急性期病院で「維持期に進んだ時に活かせるもの」を見つけたほうがいいんじゃあないかな?
      1カ月で退職した人は次の就職先の面接のときにも「気に入らなかったら1カ月で退職するつもりなのかな?」と思われますよ。

      • tbd より:

        返信ありがとうございます!
        その通りだと思います!
        しばらくは今の病院で
        努力しようと思います!

  4. kha より:

    こんにちは。
    今年の国試で理学療法士となり、維持期の分野に就職致しました。
    貴サイトを拝見させていただき、何故、回復期病院に就職しなかったのか?という自分へのわだかまりが晴れました。
    新卒で維持期というのは困難が多々ありましたが、維持期でしか学べないこと、経験できないこと、今の自分にできることを精一杯努力して利用者様に還元していきたいと思います。
    ありがとうございました。

    • やまだたけし より:

      Khaさんへ

      維持期のスペシャリストになるには、維持期で経験をつむことだと思います。この領域のパイオニア目指して頑張ってください。

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