訪問の話あれこれ
訪問の仕事について、色々と書き綴りたいと思います。技術的なことや知識などではなく、訪問のお仕事の日常について色々と書いていきます。
2013年1月27日に古い記事を以降しました
2012年以降の最新コラムはこちらです 訪問リハビリのコラム
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2012介護保険 改定のこと 2012.2.12.記
2012年2月に介護保険改定の骨子が発表されました。介護保険による訪問看護ステーションからの理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の訪問に対する枠組みが大きく変更されることが記載されています。
これまでは
- 30分未満の訪問
- 30分以上1時間未満
でしたが、発表の骨子によると
- 1回あたり20分の訪問
- 1週間につき6回まで
- 1回あたり316単位
となっています。これまで訪問看護ステーションからの訪問では「30分以上1時間未満」で訪問をしている事業所が多く1回あたり830単位を取ることが出来ていました。実質の訪問時間としては40分~50分あたりで訪問していた事業所が多いように思います。
ところが今回の改定では1回20分となったため40分又は60分で訪問することになります。40分で訪問すると改定前と比較して収入という点では減額となります。60分で訪問すると1日あたりの訪問件数が少し減るのでやっぱり減額となりそうです。
現在体制の異なる2か所の訪問看護ステーションで働いている私にとってはものすごい大変です。
セラピストが多く在籍しているステーションでは収入が大きく減ることは避けられません。おそらく私のお給料も減ることになるでしょう。どの程度の減収になるのかは私にはわからないのですが、所長さんは頭を抱えていることでしょう。
一方、看護師がメインでセラピストは私一人という体制のアルバイト先では事情が異なります。今回の改定で看護師の訪問については30分以上1時間未満の単位数は変わりなく、30分未満の単位については増額となっています。
セラピストとしての私が得ることのできる収入は減ることになりますが、看護師の訪問での収入はおそらく増えることになるので、私の減額分を十分に補うことが出来るとアルバイト先の管理者である看護師さんは考えておられます。
新年度以降、私の仕事の枠組みは変更せざるを得ない雰囲気です。
お給料を減らさないで生活を維持するには昨年と同じパターンの仕事のスタイルでは無理でしょう。どういうスタイルで仕事をするのか思案中です。
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お客さんとの信頼関係について(2007.9.22.記)
お客さんと信頼関係を築くって難しいことですよね。時間がかかることもあれば、セラピストとして努力しなければならないこともあります。
「信頼」って事をキーワードに考えると、信頼されるセラピストになることはとっても大事なことと思います。でもこの信頼って結構誤解されているんではないでしょうか?
もしかして僕の思い込みかもしれませんが、、、、
例えば、「このお客さんからは信頼されている!」ってセラピストが感じている場合ってあると思います。そうすると訪問していても少しリラックスできたり、お客さんとの会話も少し弾むようになったりしたりするんですよね。お客さんのほうもリラックスしていたりして、本当にいい関係になったように感じたりします。
でも、こんな場合でも決して油断してはいけないんですよ。だって、「信頼をしているのは相手側」の気持ちであってその気持ちは「こちら側(セラピスト)には絶対わからない」ってこと。信頼関係がうまく築けてるって思うのはあくまでもセラピスト側の想像であってお客さんがどう思っているかっていう、お客さんの内面はわからないんですよね。
「うまくいけてる!」って思うのはセラピスト側だけであって、お客さんが本当にそう思っているのかどうかは不明なんです。
そんな中、「うまくいけてる!」とおもって油断していると思わぬ失敗をしたり、気が抜けて失礼な言葉使いをしてしまったりします。するとお客さんの信頼をなくしたり、期待を裏切ったりする結果になったりします。
あくまでも「信頼」っていうのは相手側がこっちのことをどう思っているかであって、相手の本当の気持ちなんて知りようがないのです。信頼を築く努力を怠らず、なるべく油断しないことが必要と思います。
信頼を築くのは時間のかかることですが、信頼を失うのは一瞬なんです。
時間の配分について(2006.10.29.記)
仕事のスケジュールと言いますか、一日の行動予定は私の勤めている事務所の場合、だいたい1時間刻みで訪問予定を入れています。少し離れた場所へ移動する場合は+15分程度ずらして予定を入れる事となります。
9時 Aさん
10時 Bさん
11時 Cさん
という感じです。BさんからCさんの家が遠い場合はCさんへの到着時間を11時15分などとして予定を入れます。訪問する家は曜日によって固定されていますので、利用者さんにもこの時間を訪問時間として伝えています。利用者さんの入れ替えがあった場合は、時間を調整してお伝えします。
この時間をうまく調整するのが、訪問業務の難しさの一つと思います。お客さんは私達の訪問を待っていてくれるわけですが、待っている側から考えると、5分の遅れを「来るのが遅い待たされている」と感じる方もいれば、「10分遅れても気にならない」方まで人それぞれ。私達セラピストはこの事に敏感になるべきと思います。
訪問のルートとして、毎回5分の遅れがどうしても生じてしまう事が多い場合は、あらかじめきちんと次のお客さんに対してその事を伝えておく方がいいと思います。遅れることがわかっているとお客さんもきちんとお待ちいただけますが、毎回遅いのはマナー違反です。ですので、事前にきちんと到着時間を5分遅らせて伝える方がお互い気持ちよく仕事に取り掛かれます。
たかが5分かも知れませんが、その5分のためにお客さんとの関係がまずくなる事もありますし、スクーターなどでの移動を焦って事故を起してしまうかも知れません。そんな事になるのを避ける意味でも到着時間は余裕をもって設定する方が良いと思います。
特に経験年数の浅い作業療法士の方であれば、時間が気になってセラピーに集中できない可能性もありますので、ゆとりのある計画を立てるほうが良いと思います。
リフトの導入と夫婦喧嘩について(2006.8.5.記)
今訪問している、19歳の脳性まひ(アテトーゼタイプ)の方のお宅でのことです。
成長とともに介助量が多くなり、年々介護をするご家族の者の体力もすこしづつ低下していきます。そこで移乗動作の介助量を軽減する目的でリフトの導入を検討しています。
セラピストの立場としてはリフトを導入する事で
「家族の介助量の軽減」
「安全な移乗動作の実施」
が実現できれば良いかと思っていました。先日リフトを取り扱っている業者さんと私とで訪問してリフトについて打ち合わせをしていた時の事です。私がリフトを導入する際のメリットを説明するとご家族(本人のお母様)が、「これが使いこなせるようになると「夫婦喧嘩が減りますねえ」と笑顔でおっしゃられました。
誤解のないように書いておきますが普段の夫婦仲が悪いわけではありません。
では、なぜリフトで夫婦喧嘩が減るのかがわからなかったのでその理由を聞いてみたところ次のような説明を頂きました。
『私(お母様)、は一人で移乗動作の介助をする事が出来ない。車椅子から降ろすことはできても、車椅子に乗せるには二人の介助が必要になる。夫が家にいてると二人で車椅子に乗せることができるし、外出もできる。しかし、夫が外出する(仕事に行ったり、ゴルフに行ったり)すると、車椅子に移乗させることができないから、一日家にいてることになってしまう。だから、夫が一人で外出しようとした時につい喧嘩になってしまう。このリフトが一人でうまく使えるなら、夫がいない日でも車椅子に移乗させて外出する事ができるから、喧嘩が減ると思う。喧嘩というか、もめる事が減るでしょうね。』
リフトの導入がこのような形でいかされるとは思いもしませんでした。介助量が減る事は予測していますが、その結果もたらされる「喧嘩が減る」という影響までは考えるに至りませんでした。全ての場合にこのようなことが当てはまるわけではありませんが、福祉機器を導入する効果がどのような形で実を結ぶのかは、ご家庭それぞれによって異なります。しかし、今回のようなケースの場合、セラピストの予測を超えて良い効果を与える事ができそうです。
このような経験はじっくりとご家族のお話を聞きながら福祉機器を導入する事の出来る訪問ならではの出来事だと思います。
移動ルートの事(平成18年5月6日 記)
訪問が病院などの施設での仕事と異なるのはやっぱり移動でしょうか?
この仕事について最初一番困るのが「土地勘」がないこと。道順を覚えるのが大変。転職して徐々に訪問件数が増えるという事はそれだけ覚えないといけない道も増えるという事。おおよそそれぞれのお宅を訪問する時間は決まっているので、その時間内に到着するべく移動します。転職して最初の半年間は新規の利用者さんばかりなのでなかなか時間通りに家に着くことが出来ず、利用者さんの治療を考える事だけでなく、移動する事も大変でした。
半年を過ぎる頃から、徐々に移動ルートも固定され、新規の利用者さんも週に1人いるかいないかというペースに落ち着いてきます。土地勘も徐々に養われてきて、急な利用者の休みや順序の変更にもスムースに対応できるようになってきます。頭の中で「あの道とこの道」がつながるようになってきます。こういう状態になると、移動の時間も余裕をもって組み立てる事が出来るようになり、「少し早く着きそうだな」とか「あそこのコンビニでトイレに行こう」というゆとりがうまれます。
ちなみに訪問中のトイレは「コンビニ」のトイレを使うことが多い。利用者さん宅でお借りする事はありません。道順と自分の膀胱と相談しながらいつ行くのかを決めるようにします。また、夏場の水分補給などは持参のお茶なども飲みますが、コンビニで冷たいものを飲むこともありますので、どこでコンビニを使えるのかというのもけっこう大事な移動の要素になります。
私の場合移動ルートを覚えて移動する事にストレスがなくなると新しい移動ルートの開拓fontをしています。利用者さんの急な休みなどで時間が空いたりすると、通常とは異なるルートを走ったりして、移動時間を短縮できないかどうかを試す事にしています。安全に移動時間を短縮する事はゆとりのある移動につながり事故を未然に防ぐ事が出来るし、何より休憩も出来ますしね。信号や通行量の少ない道、ショートカットできるルートなど日々開拓に余念はありません。
また、勤務地周辺の有名な公園や、四季折々の花、など少し空いた時間で気分転換できるところを探すのもなかなかの楽しみ。特に春や秋の季節は屋外にいても疲れることの少ない季節。のんびりと公園で一服するのは絶好の息抜きになります。
こういった楽しみは病院勤務時代にはなかったことですね。
一日の移動距離は当然利用者さんの家の場所とかにより日々異なります。私の場合は1日平均7~8件の訪問で30~40キロくらい。40キロを越える日は事務所から遠いお客さんが多かったりルート順が悪かったりする場合。でも、一日の最後にスクーターのメーターを見て40キロを越えているとおもわず「今日はよく働いたなあ」と思います。
持ち物の事(平成18年3月21日 記)
普段はスクーターで移動して、バックに荷物を入れて背負っています。では、バックには何を入れているのかといいますと
1、訪問の記録用紙や筆記用具など
2、カッパ
3、お茶の入ったペットボトル
4、血圧計、聴診器などの道具
5、メジャー
6、携帯容器に入れたウェルパスなど
といったところでしょうか?
私の場合、アトピーで肌が乾燥しやすいので「保湿クリームやリップクリーム」なども鞄には入っています。あと、頭痛もちなので「セデス」は必ず常備しています。
あと、私の事業所で使っているのは私だけなのですが、雨天の日には「長靴」を利用しています。利用者さんのお宅に訪問する時に靴下がビショビショでは迷惑なので長靴を使います。雨が降ってから事業所に戻って履き替えることもありますが、利用者さんのお宅が事業所から離れている事もあるので、雨が降りそうなときは朝か昼休みの時間にあらかじめ履き替えるようにしています。天気の予想がはずれていると「晴れているのに長靴」というときもたまにありますかね。あとは利用者の急な休みの連絡を受けるための携帯電話も忘れる事は出来ません。
スクーターなのできちんとヘルメットも着用しています。事業所で用意していただいているヘルメットはいわゆる「半ヘル」なので、めがね着用者の私は雨天でメガネが濡れると走行上危険なので、バイザーのついているヘルメットを自分用に購入しました。
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